「いいのかよ、行かなくて!」



「もう来んなよ、しつこいんだよ!」



「えっ……!?」



ピクニックを終えた翌日の月曜日。

学校から帰り、家の近くまで来ると思わず体をビクッとさせてしまった。
おうくんのあんな怒鳴り声、はじめて聞いた……。


表の方に近づいてみると、おうくんは、同い年くらいの男の子に怒ってるみたいだった。

怒鳴り合いになっていた男の子も、怖い顔をしながら歩み去っていってしまった。



「お、おうくん……?」



わたしがいることに気づいて、吊り上げていた目を、おうくんは元に戻す。



「わりぃ、びっくりさせて」



「えっと……」



「さっきの奴はな、俺がまだ一人暮らししてなかった時、近所に住んでたダチだ」



「友達……?」



明らかに、友達に対する態度じゃなかったと思うけど……。


わたしは、真白に対してあんなことを言ったことがないんだもん。



「友達なら、なんで……?」



「癪に触るようなこと言うからだよ」



「は、はぁ……」



癪に触る?
そう言うなら、とにかく嫌なことを言ったってことなら、どうしておうくんの友達はそんなこと言ったんだろう?