レジャーシートなどといった、食料以外のものはおうくんが用意してくれた。


とりあえず、おにぎりと唐揚げ、にんじんサラダといった感じなんだけど……。
本当に、これでよかったのかな。


わたし、誰かとピクニックなんてしたことないんだ。


わたしは2人分のお弁当と水筒を持って、おうくんが案内してくれる公園へと歩く。

天気予報で言われた通り、コバルトブルーの空がどこまでも広がっていて雲ひとつない。



「やっぱ珠華の美味い」



おうくんが芝生に敷いてくれたレジャーシートの上で、わたし達はお弁当を食べる。



「ふふ、毎回言うよね、それ」



「美味いもんを美味いって言って、何がおかしいんだよ」



「だって、何回も言われちゃ……」



お父さんからも全然作ったものに対して美味しいなんて言われなかったから、何回も褒められることは慣れていなくてどうしてもむずむずしてしまう。


公園を見回してみると、家族で来ている人もいれば、友達同士で来ている女の子たちもいた。


少し離れている時は、男女2人組で歩いている人もいた。


なんか、こうやって見てると側からしたらあそこにいる2人と同じように、わたし達は完全にカップルにしか見られていないよね……?


そう思っていると、芝生で転んで泣いてしまっている、小さな男の子の姿が目に入った。

その男の子に寄り添ってあげる、お父さんとお母さん。


その姿を見て、唇を噛み締めながら目を逸らしているおうくんがどんな気持ちなのか、わたしには全く分からなかった。