迷子センターから出た後、おうくんはまだ機嫌が良くなさそうだった。
「ねぇ、おうくん。どうしたの? 機嫌悪いの?」
わたしが、勝手に迷子センターまで行ってムッとしちゃったのかな……?
そりゃあ、勝手な行動をしたのはわたしが悪いけど、そんなに怒らせたのかな……?
おうくんにとって、すごく嫌なことだったかな……?
結菜ちゃんのお父さんとお母さんが来てから、おうくんはずいぶん怖い顔をしている。
まさか、結菜ちゃんのお父さんとお母さんのことをよく思わなかった?
あんなに優しくていい人って感じがしたのに、どうして?
金色の髪をサラッと動かしながら、おうくんは首を横に振った。
「いいよ、気にしなくて」
おうくんは、すっきりした口元を上に上げたけれど、わたしの気持ちは晴れ晴れとしなかった。