「それで、詐欺の証拠を集めるためにどうしていくの？」

カレンの問いにミシェルとアイリスは顔を見合わせる。そしてニヤリと微笑んだ。



ミシェルとアイリスが詐欺グループに潜入して数週間が経った。ミシェルとアイリスは今日も詐欺の受け子としてターゲットとなったお年寄りの家に行く。

「これが示談金の二百万です……」

震える声で白髪混じりの髪をした女性が言い、「お預かりします」とミシェルは微笑みながら封筒に入れられたお金を受け取った｡

「その……息子が撥ねてしまった相手の方は大丈夫なんですか？後遺症などは……」

「相手の方は骨折をしているだけで済んでいます。このお金を受け取ったら警察に被害届は出さないと仰っているので、ご安心ください。それに、先輩もとても反省しています。また母さんに迷惑をかけてしまったって……｡だから、先輩を許してあげてください」

女性は泣きながら頷き、何度も頭を下げる。ミシェルは「必ずお金を届けますので」と言い、女性の家をあとにした。