過度なくらいに心配してくれて、でもそれは同時に私の落ち度だということもわかってる。

バイトではしゃんと頭が冴えてきびきび働けるのに、家でとなると途端にスイッチがオフになって何をするにも失敗ばかり。


家でもオンの状態にできればよかったんだけど、私の気力と体力がもたなくって、あかねさんが存命の頃に諦めた。


そんな、私が、こんなに過保護で家事もできて、器用な人の精神安定剤なんて大役が務まるとは、どうにもこうにも思えない。



「……でも、伽夜がそう思ってくれてるのなら、行きます。私がいることで、伽夜がお母さんとスムーズに話ができるなら」



こんな時、やさしい笑顔が、満面の笑みをつくれたら、どれだけよかっただろうか。

どれだけ、近づけただろうか。



「……じゃあ、お別れも近いですかね」



言葉にした途端、泣きそうになって、自分でもわかるくらいの下手くそな誤魔化し笑いをはりつける。