「桜木刑事〜！！スイーツ奢ってくれるって本当！？」

「俺、駅前に最近できたパンケーキの専門店に行きたいです！！」

いつから話を聞いていたのか、ゼルダとアーサーが桜木刑事を目を輝かせながら見つめる。

「こんな話だけ聞こえるってどんな耳をしてるんだ」

苦笑する桜木刑事にマルティンが「すみません」と謝り、「お前たちに桜木刑事は言ってないぞ！それより二人とも仕事しろ！」と叱りながら二人を引きずっていく。

蘭はそんな二人をチラリと見て、「神楽さん、もっと危機感持ってください！」と怒る圭介を見つめる。

「男って危険なんですよ？桜木刑事だって蘭さんを見てどんなこと考えてるかなんてわかりませんし……。触れられたりするのは危険です！」

漫画ならば彼の周りには「プンプン」という可愛らしい文字が浮かんでいるだろう。しかし、蘭はそんな様子にもクスリと笑うこともせず、むしろ戦場に立つ軍人のような鋭い目をしている。