ーとその時

俺にやっと千冬先輩に声をかけられるチャンスができた。早くコートに来てよかったなと思った。

千冬先輩はコートにあるベンチに座っていた。

「千冬先輩…元気出してください!」

俺はなんて声かけようか焦って気づいたら、そんなことしか思い浮かばなかった。こんなんじゃあかっこ悪い……。でもこんなチャンス滅多にない。

俺は今度は素直に言った。

「千冬先輩の目に俺は入ってないんですか?」

と千冬先輩は俺を見てる。俺はそれを思った途端、とても恥ずかしく思った。

そして

「さっきのは忘れてください!」

と言ってしまった。…俺、かっこ悪い……。
俺はコートへと走った。