「死んだんだよ」
「そう」
「もう、いないんだ」
「……そっか。じゃあさ、私が代わりになってあげようか?」
「無理だよ、だって、君はペットにはなれないじゃないか」
「猫? 犬?」
「猫」
「にゃー」

 彼女の無機質な声が聞こえてくる。その声が耳に障る。

「ふざけるな」

 いきなり猫の鳴き真似をして、僕は心底腹が立った。

 まるで、この僕の悲しみを否定された気がしたからだ。

 『なんだ、たかがペット。それくらいで』と、彼女の声で脳内にその台詞が再生される。

「ごめん」

 小さな彼女の声が、聞こえてきた。

「いや……」

 あまりにも弱々しいから、とりあえず否定しなければと言う思いになる。