次の日の朝。洗面所で私は寝癖を直していた。

今日は麗於さんと服を調達しに行く予定だ。今はルナから借りた黒いパーカーとスウェットパンツをパジャマの代わりに着ている。

「おい、邪魔だ」

背後から、巨大な怪獣が迫る。

え? 怪獣?

振り向くと、

「きゃあっ!」

それは上裸で頭をかきながら歩く篤史さんだった。

「なんだよ? 悲鳴なんか上げやがって」

色黒で、すごい筋肉だ。見事に六つに割れた腹筋と、分厚い胸筋が嫌でも目につく。

「もう! 服を着てください!」

私が言うと、篤史さんは「は? うるせぇよ」と私の体を持ち上げる。

「うわっ!」

すごい力っ!

そのまま無理やり洗面所の前から私を移動させる。

「俺に命令してんじゃねぇ。下はいてんだからいいだろ」