ルナの制服姿が目に浮かぶ。

特攻服も似合ってたけど、きっとそれもすごく似合う。

「応援してるよ! ルナなら絶対に受かるからね!」

ルナは私の背中に手をまわす。そしてぎゅっと抱き締めた。

「ありがとう琴葉。俺はようやく、誰かのために生きられる気がする」

私はほほをルナの胸にあてた。心地よい心臓の音が、リズムとなって聴こえる。

「全部、琴葉のおかげだ。琴葉がいてくれたおかげで、俺はまた誰かを愛する勇気を持てたんだ…」

ルナの言葉に、涙があふれてきた。

「ずるいよ。そんなこと言ったら…」

ようやく、決心がついたのに。

ワルシャワに行って、世界一のピアニストになろうと決めたのに。

どうしようもない寂しさが、濁流のように溢れてくる。