「……それ、さっきも言ってましたよね?」
「は?」
「だって、ヘリコプターの中でも永遠に一緒にいてくれって……」
「だって、それは、兄さんが……」

 また顔を赤くした甚八さん。その顔を見ていると、なんだかこちらまで頬が熱を上げる。

「陽臣さんに何言われたか知らないですけど、全部実行しなくたっていいんじゃないですか! 実際被ってるし!」

 照れ隠しについそう言うと、甚八さんは小さな声で呟いた。

「すまん、まだある。だが、返品不可だ。受け取れ」

 私はだんだん彼の気持ちが愛しくなって、思いっきり緩んでしまった頬を隠すように花束を受け取った。