「っ、ん……っ、ぅ」



そのまま、唇が奪われた。

そのせいでフラッシュバックする、昨日の夜のあのあとのこと。



狼くんって意外とくっつきたがりなんだってわかった。


数えきれないくらいキスして、くたくたになっても離してくれなくて、もうそのあとはあんまりよく覚えていない……。



とにかく、狼くんの部屋まで運びこまれて、そのままぎゅっと狼くんの体温に包み込まれて、それが気持ちよくて眠りにおちた。



比喩でもなんでもなく、溶けちゃうかと思った。




「……っぷはっ、狼くんすとっぷ!」

「足りない」

「じゅうぶんですっ、唇がはれちゃう……っ」



ひりひりしてるもん。
もうこれ以上はだめ。




心なしか不服そうな狼くん、その頬が目につく。……まだちょっぴり赤い。