「っ、狼くん、起きてくださいっ、朝ですっ!」

「うるさ……」




満たされて、甘やかされて。

現実でも夢でもとびきり幸せだったから、油断していたの。



今日も、もちろん学校。

なのに、思いっきり寝坊してしまった、このままだとふたりして。



「遅刻しちゃう……っ!」




がくがくと狼くんの体を揺さぶるけれど、だめ。ほんとうに狼くんは朝弱い……!

そして、挙句の果てに。



「……もうちょっと」




もぞもぞ伸びてきた腕が、抱き枕みたく私をつかまえる。



ぎゅ、と腰のあたりを引き寄せられて、一気にあがる心拍数。

もう心臓が壊れてしまいそう。