「塩味ひとつください」


屋台のおじさんに注文して長いトルネードポテトをもらう。


サクサクしててとてもおいしい。


「麻衣」


夢中でかぶりついていると、トンと肩をたたかれた。


奏太が口を開けてこっちを見ている。


これは……、食べたいってことだよね?


「……ん」


恥ずかしいからポテトを傾ける。


サクリ、と奏太が私がかじったところの近くを食べた。


か…っ、関節キスだっ。


さすがに奏太は全然気にしてない様子。


確かに昔はあたりまえのように恥ずかしげも一切なくしてたけど…!


だめだ、私、完全にやられっぱなしだ。


ドキドキさせられるばかりで何もしてない。



ふと思うとますます不安になってくる。


こんな私じゃ奏太も飽きてこないかな。


いくらお互いのことをよく知っているとはいえ、1歩間違えれば兄妹のような存在。


もしや、恋人同士で安心していられない…!?