雲ひとつない、澄みわたる青空。


ポカポカ陽気の下、当然のように人が大勢、賑わっていて…。


「ついたぁ〜っ!!」


国内屈指のテーマパーク。


日曜日のまだ昼前、私たちは大きい門の前に立っている。


「チケット買わなきゃな。大人6人分、買ってくるよ」


素早くお金を集め、チケット売り場に向かうのは佐川先輩。


今日はじめて間近でみたけれど、それはそれは…夏美にベタ惚れで。


「わっ、ほんと頼りになるね。夏美」

「う、うん」


とても癒される組み合わせ。

もうカレカノにしか見えないくらい。


なんだか親目線のような気持ちで微笑ましく見ていると、するりと指を絡められた。


奏太が恋人つなぎしてきたんだ。


「えっ……か、なた」


大勢の前でされるなんて初めてで緊張してしまう。


でも嬉しい気持ちが勝っちゃうからきゅうっと握り返すんだ。