私はそんなに生徒会と関わりはないけれど、佐川先輩は知っている。


真面目系のイケメンさんな上に優しくて爽やかで人気もあるんだって。


密かにファンが多いらしく、美琴からそういった情報もいくつか聞いたことがある。


でも誰かと付き合っているとかそういうのは聞いたことがないなぁ。もしかしたら、夏美一途だったのかも…?


「なんつーキュンキュン展開……麻衣も規格外だけど夏美も相当ね」


ストローをくるくると回しながら美琴はため息をついた。


「私なんて最近妹たちの面倒見ばっかでさ。全然デート出来てないの。

彼は大丈夫って言うけどやっぱり申し訳ないっていうか…一緒にいる時間も少ないわけだし」


そっか。

私は奏太と住んでるからほぼいつも一緒だけど、やっぱりみんな好きな人といれる時間は限られてるんだよね。


電話とかメッセージとかいろいろあるけど会うのがいちばんうれしいし。


「私は…友達になったけど具体的にどうすればいいのか、わかんない」


友達って、恋人前提だとどう接すればいいんだろうか。

それは私にもわかんない…。



「じゃあ遊びに行くのは?どう!?」


「遊び?」


「うん。麻衣と奏太、私と彼、夏美と佐川先輩で。トリプルデート…みたいな?」