「学校のみんなには……まだ、言えないかな」


同居のことも、付き合ってるってことも。


周りの人たちの中では

私は普通の白城麻衣。

イケメンの瀬上奏太。


あくまでも同じ学校の同じ学年。


赤の他人。


親しいなんて知っているのはごく一部の友達だけ。


普通とイケメンには接点なんてなくて、ましてや一緒に暮らしてるなんて誰も想像しない。


奏太は人気者でモテモテだから女子たちも私が恋人なんて認めてくれるとは限らないんだ。


それだけ奏太は特別だから、その重さを考えるととても言えない。


「まぁそれは2人のタイミングがあるもんね」


ふわっと笑う夏美を見て…思い出した。


「夏美、告白されたんだって?」


コソコソっと質問。


すると夏美の顔がグンッと赤くなった。


おっ? おおっ?


もしやこれは…っ?


「ええっ、そうなの!?聞いてないよ私」


「私、聞いちゃったんだ。男子たちが話してて」