ポスン、と奏太に寄りかかると受け止めてくれる。
あったかい。奏太の匂い。
……うん、好きだ。
「熱……はないか」
今すぐ好きって言いたいけど、もうちょっとしてからにしよう。
奏太の背中に手をまわしてぎゅっと力をこめると、優しく背中をなでてくれる。
好きだよ、って。
昨日奏太が言ってくれた告白がふとフラッシュバックする。
両思い。
こんなに、あったかくて幸せなものなんだ。
こりゃあ全国の大半の人たちが恋するわけだ。
みんなが憧れるわけだ。
「わっ…私も手伝うよ」
なんだか恥ずかしくなってパッと奏太から離れると、
「へぇ。麻衣って料理できるっけ?」
とイジワルに笑われた。
「……できません」