私にそんな資格はない。


「奏太は大事な……家族だから。もう困らせないから」


ほんとに、ごめんね。


もう迷惑かけないよ。


「私、これからひとりで何とかする」


いつまでも奏太に甘えてばかりじゃだめだ。


「朝もひとりで起きられる」


頼ってばかりじゃだめだ。


「でも……」


きっと、奏太不足になっちゃうんだろうな。


「お願い。私が耐えきれなくなったら、助けてください……」


今私が言えるせいいっぱい。


「バカじゃねーの」


今までだまっていた奏太が私の左頬に触れた。

遠慮なく、親指で私の唇をそっとなぞる。


「麻衣がひとりで起きられるわけねーだろ。1日ももたずに我慢できなくなるし」