次々と言われ、頭の中がクラクラとしてきた。


「やだ…っ。奏太をとられたくないっ……。会いたい……」



「麻衣っ!」



バンッとリビングのドアが勢いよく開いて、奏太が駆け込んできた。


「大丈夫か!?」


「えっ……なに、ごと?」


どうして、学校にいるはずなのに。

どうして、会いたいと思ったら来てくれるの…?


『おーおー、結構はやかったねぇ。王子様のご登場で』


「おまえ……っ、騙したのか」


だました?


『ごめんね〜麻衣ちゃん。あとは頑張って』


ブツッと通話が切られた。


当然、シーンとなるこの場。


「…どうしてここに?」


奏太はため息をついてから、言いづらそうに首をかいた。


「多賀から、麻衣が緊急事態だって」

「えっ、私元気だよ」


「……うん。良かった」


安心した顔で微笑みかけられ、ドキッとした。