起きたら、誰もいなかった。
家の中はガランとしていて静か。
時間はとっくに昼を過ぎている。
なんだか頭がボーッとする。
……学校。
スマホを開くと、美琴と夏美からメッセージが何件か。
奏太からは何も来ていない。
置いてかれたんだ。
そりゃそうか。
「ズル休みになっちゃったな……」
誰もいないリビングを見回して壁のボードにふせんが貼ってあるのを見つけた。
私のお母さんがもらってきたけれど誰も使わないコルクボード。
『食べるものは冷蔵庫。なんかあったら電話しろ』
適当な走り書き。
……ご飯、作ってくれたんだ。
やっぱり奏太は優しすぎる。