はっ!
「…えーっと〜……」
苦笑いする私にため息をつく先生。
「転校生だよ、転校生。今週中に来るらしいからな」
転校生?
「先生ー、それって男ですか?それとも女ですかー?」
「おー、なんか男らしいぞ」
「イケメンですかー?」
「知らん」
美琴が先生と言い合っていると、チャイムが鳴る。
教室が騒がしくなると同時にハッ…!と思い出した。
「夏美っ、お願い!数学の宿題見せて〜」
「うん、いいよ」
ありがたき…!
と写していると、前方から何やら不穏な影。
「み、美琴さま……」
が、鬼のような目でこちらを見下ろしていらっしゃる!
「麻衣っ!宿題は自力でやるのよ!?夏美に甘えてちゃだめじゃないの!」
私から夏美のノートを取り上げようとする。
ああっ、だめ!それがないと…!
「だってわかんなかったんだもん!ケチ!」
やあやあ言い合ってる私たちに、夏美はオロオロしている。
「お願い!今回だけだから!」
「あのねぇ〜」
こういうときの美琴は本当にお姉さん。