「それは恋なの!!」
今日もまた遅刻してしまった。
美琴はまたもやノリノリの様子で身を乗り出している。
「んー、恋じゃないよ、たぶん」
「いいやっ!恋以外に何があるっていうのよ!麻衣は鈍感にもほどがあるわ。この話も何回目のことやら……」
だって恋って、相手のことしか考えられなくなって「もー好き好き好き!!」って感じでしょ。
それにキスとかしたいって思うんでしょ。
私はそんなんじゃなくて。
「まぁたしかに私も彼氏とキスしたいとか思うけど。ドキドキするわよ、好きな相手といたら」
「うん。心がキュッ…ってなるよね」
そう言って首をコテン、と傾けた夏美をみて私の心が…
キュッ……!!
「ううっ、可愛い!私は夏美に恋してるかも!」
教室中に私の声が響く。
移動教室の準備をしている何人かが私の方を見た。
一斉に注目を浴びて恥ずかしくて美琴と夏美の後ろにコソコソ隠れる。
女子のグループが笑いをこらえているのが分かる。
「まぁ夏美が可愛いのは分かるわ。私が男だったら間違いなく彼女にしてるわね」
だよね!?