奏太の髪に口元を埋める。


あたたかくて、同じシャンプーの匂い。


奏太の部屋から出て、私の部屋へ向かう。


やっぱり奏太といると心地いい。


イケメンだから彼女つくっちゃえばいいのにーって言ってるけど、やっぱりもうちょっとだけこうしてたいな。


私のワガママだけど。


まだ奏太に彼女ができるって確定した訳じゃないけど、ずっと一緒だったから今さら寂しいなぁ……。


なんて、私奏太のお母さんみたいじゃない。


「着いたぞ、おりろ」


私の部屋につくと、ベッドの側まで来て、背中をトントンと叩かれる。

はやくおりろってことだろう。


でも完全に甘えモードの私はまだまだくっついときたいから、ぎゅっとしがみついて離れない。


「いいのか、遅刻しても?またギリギリになるぞ」


んー、でもあとちょっとくらい大丈夫…。


奏太がベッドに腰をおろす。


膝の上にのっかっている私は、でも離さまいとギューッとひっつく。


「ほんと……そろそろ限界だから、離して」

「やだ」


こんな時間は貴重なんだよ。


「じゃあまたしても……いいの?」


耳に直接ささやかれた。


「え……?」