「うん。着替える!」
と言ったものの、ここは私の部屋じゃない。
昨日はずっと奏太の部屋にいたからそのまま奏太のベッドで寝てしまったんだ。
う、自分の部屋に戻るの面倒……。
「ん」
「は?」
目の前の奏太に手を広げてみる。
「ん」
「いや…いやいや、自分で行けよ」
「ん!」
ベッドの上でぴょんぴょんしながらねだっていると、ため息をつきながら奏太が腰を上げた。
「やったー」
「ほら」
奏太の胸に飛び込み、持ち上げられる。
「…ちょっと増えた?」
ひどい!
髪の毛をわしゃわしゃと撫で回してやった。
「ごめん、ごめん」