うっ、朝から贅沢……!じゃなくって。


「なにって何?」

「だから、今……!」


かあああっと顔が赤くなるのを感じる。


奏太はそんな私を見てフッと笑った。


「赤くなってる。……何?俺がなんかした?」


分かってやってる……!?


「なんでもない」


右の手の甲をさする。


あきらかに今、ここを奏太にキスされた。


どうして?


「…麻衣、そんな擦ったら赤くなる。それにちょっと傷つく」

「ごっごめんなさい…?」


平然としている奏太だけど私はあわてている。


……あっ、もしかしてこないだ見た恋愛映画の影響かな?


うん、きっとそう。奏太も王子さまみたくなってみたかったんだ、きっと!


うんうんと頷く。

たしかにあの俳優さん、王子キャラで最近人気出だしたもんね。

誰しも憧れはあるよね。