はじめてではない。


たまにしてくること。


それに対して特に何も思わない。


でも。今日はなんだかフワフワと不思議な気持ちがして頭をずっとおさえていた。






「ほんっとごめん!麻衣!大丈夫だった?」


学校が終わるとすぐに美琴が飛んできた。


「まぁ……大丈夫…かな?」

「何かあったの?私も着いて行けなくてごめんね」


隣の席から夏美も手をあわせてくる。


うぅ、その、首をかしげるのめちゃくちゃ可愛い…っ。


「んー、あったっていうか…途中で奏太と会って」

「「えっ!??」」


え?


奏太の名前を出したとたん、くいついてくる2人。


「会ったの?たまたま!?」

「多賀陸人とふたりのときに!?」


「え、なになに」


若干ひき気味の私に気にせず、ずんずん顔を近づけてくる。


なんだか嫌な予感。


「……あっ、私駅で待ち合わせしてるから…また明日ね!」


チラリと時計を確認して、こそっと逃げだす。


「まてぇーっ!気になるじゃん!!」


美琴の叫びをガン無視して階段をかけおりた。