一緒に暮らしているのは、もちろんふたりでではない。
私、お母さん、お父さん。
奏太、奏太ママ、奏太パパ。
二家族で、私と奏太が生まれる前からこの家でシェアハウスをしている。
なんでも、お母さんたちは4人とも大学時代からの仲良し組らしい。
だから私と奏太は兄妹みたいなかんじ。
ずっと一緒に育って、暮らしてきたからね。
「麻衣ちゃーん、朝ごはんあるわよーっ」
1階から奏太ママの声がする。
時計を見ると、もう50分!
「うわわっ、もう!?やばい、絶対に遅刻だあぁ〜っ」
急いで髪をくしでとかしながら階段をおりる。
数学の宿題終わってないけど…。
あとで、見せてもらえばいっか!
ガラガラッ!と教室の引き戸を開けて、中へ飛び込む。
先生いない!
「セーフっ!」
「じゃないぞ、白城。またお前か。
早く席つけ」
うぅっ。後ろからとは…!
大人しく自分の席に座ると、前の席で親友の佳子が振り向いてきた。
「おはよ、麻衣」