「あっ!来た来た、遅いよ麻衣〜」
「ごめん〜」
美琴たちと合流してから門を出る。結局、私たちがいちばん遅くなってしまった。
さすがに暗くなる前には帰らなきゃいけないから、急いで駅へ向かう。
「どうだった?佐川先輩と2人きりは」
夏美がポポっと赤くなるのを見逃さずに私たちは小さく輪になる。
「えぇっと……恥ずかしかったけど、でも先輩、すごく優しくて」
照れてふわふわな髪の毛をきゅっと握っているのが可愛い。
これは付き合うのも近いかも…?
「楽しかったねぇ」
「麻衣、観覧車乗ったでしょ?」
美琴に笑われてビクリと動揺する。
だって、てっぺんでキ……ッをして…。
「2人が乗るとこをたまたま見てね。知ってる?
あの観覧車、ジンクスがあるんだよ」
ジンクス?