待ち合わせまでまだ時間があったから、2人で観覧車に乗ることにした。
デートでは定番なスポットであり、恋が実ったり進展したりを数々と生み出してきた最強の乗り物。
に、私たちは乗り込む。
ゆっくりと上っていくゴンドラにしばらく無言だったけど、お互いを見ていた。
「楽しかったね、今日」
「ああ。久しぶりだったし、デートだったしな」
続かない会話に何だかムズムズする。
「……えっと、」
「麻衣」
カコン、と揺れて奏太が隣に座った。
膝の上で手を絡めて。
きゅんっ、と縮まる心臓。
少しためらった後、息を吐き出すようにそっと言う。
「麻衣と付き合ってること、みんなに言いたい」
……え?