「麻衣ちゃんは、好きな人とかいないの?」
奏太ママがニコニコと聞いてくる。
「いないよ〜」
恋愛に興味がないわけじゃないけど、私にはまだよく分からない。
美琴みたいに彼氏にも憧れはある。
でも初恋もまだな私には遠い世界だなーって思ってるし。
「大丈夫よー、麻衣ちゃんは可愛いもの。かっこいい彼氏ができるわよっ」
「ありがとう」
私は、奏太ママとパパみたいにずっとラブラブがいいなぁー。
「そういえば、今日恵奈ちゃん帰ってくるってー」
「ママが!?」
やったぁ!!
わたしのお母さんは、仕事のために日本中をあちこちしてるから月に1、2回しか帰ってこない。
だから帰って来る日は奏太ママが作る料理もちょっぴり豪華。
なにより、お母さんと会えるのが久々で、一気にソワソワしちゃう。
「じゃあ宿題してくるねっ」
早く宿題終わらせて、お母さんが帰ってきたらたくさんおしゃべりしよう。
向かったのは自分の部屋じゃなくて奏太の部屋。
ひとりが好きじゃない私は、寝るとき以外はだいたいリビングか奏太の部屋にいる。
昔からだから奏太も邪魔とか言わないし、宿題も教えてくれるから居心地いいんだ。