「…何ネガティブになってんの。らしくねぇな、強いのに」




「強いって、私の事?だとしたら強がってるだけで実は結構弱いのかもね」




感情を隠すことは得意なはずだから、強く見えてるのかもしれない。





「別に強がる必要ないだろ?義理の家族相手ならまだしも、俺なんか他人なんだから」





翠は優しい。



泣いてもいいんだよって言われてるみたいで、気を緩めたら泣いてしまいそうだ。




翠と一緒にいると感情が忙しいな、私。


情緒不安定とはこの事だろう。




「他人…なんかじゃないよ」




今の私にとって翠は必要な存在だ。



数少ない、私に居場所を与えてくれる大切な人。


家族とも友達とも違うけど、なんか…大切なんだ。大事。失いたくない。




「…よく分かんないけど、ここはお前の家なんだから気張ってないでもっと肩の力抜けって。」




「…クセ、なんだよね多分。ても翠といるときは素でいれてると思う」