「どう?」
「美味いよ」
帰ってすぐオムライスを作ってあげてダイニングテーブルに向かい合う。
翠は大盛りにしてあげたオムライスにがっついていた。
「でしょう?」
「はっ、なんかムカつくな」
翠は柄にもなくオムライスが好きらしく、珍しく分かりやすいくらいご機嫌だった。
いつも仏頂面なのにね。
「ふふっ、子供みたい」
好物にしっぽを振る翠は小さい頃の広希を見ているみたい。
小さい頃は私がお菓子をあげると目を輝かせて喜んでいたんだ。
…懐かしい。今じゃもうすくっかり成長して可愛げなんてなくなってしまったけど。
「子供っぽいって、俺一応教師なんだけど?」
ニコッと黒い笑みを浮かべた翠。
どう見ても目が笑っていない翠と視線が交わった時、私は笑いが止まらなくなって。
「あはは、ごめんごめん。気にしてるんだっけ?童顔なこと」
「もう一回言ったらキレるぞ」
「わーこわい」