私はただの同居人で、翠の生徒で、家政婦なんだから。




「ほら、お迎えだぞ」




キクさんが指さした先にはこっちに向かってくる1人の影。




「翠…」



「遅いから何かあったのかと思った」



「あ、ごめん…」




どうやらもう着いていたらしく、手にはコンビニのホットコーヒー。


車はきっとそこに置いてきたんだろう。




心配、してくれてるんだろう。




「ごめんね、翠」



「いや、俺がちょっと引き止めちった。つい話が盛り上がってな!」



「…マスター、緋和に変なこと吹き込んでないよな?」


「さぁねー」




2人の掛け合いを見ていると、仲がいいことが見て取れた。



昔からの知り合いって言ってたもんね。