「すいません、キクさん。私のせいで…もう営業時間過ぎてますよね?」




お店にはいる時にみた看板には9:00~20:00と書かれていた。


いまは20:15。さっき看板をしまいに言ってたし、もう閉店なんだろう。



私のために開けておいてくれたんだ。




「ご馳走様でした。お会計お願いします」



「なーに、いいのいいの。今日はサービス!翠から頼まれてたんだよ、緋和ちゃんが心配だから店で匿ってて欲しいって」




カバンからお財布を出した私にキクさんはニコッと微笑んで首を振った。



翠の周りの人はどうしてこんなにもみんないい人なんだろう。


あたたかいな…この場所は。




「やっぱこの会計翠にツケ払いさせるか〜」


「私が翠に怒られそうですね」




荷物をまとめて円香とお店を出るとキクさんは見送りにきてくれた。