「実は…私、今翠の家に住んでるの。」


「…は?」




円香は目を丸くして驚いていた。


無理もない。

教師と生徒が同居なんて、普通じゃ有り得ないんだから。




「最初から全部話すから、聞いてくれる?」




私は翠との出会いから今までに至る経緯全てを包み隠さず円香に話した。




合コンで出会った不機嫌な男が翠だったこと。


変な人に絡まれてたら助けてくれたこと。


家が家事にあって翠の家に居候することになったこと。


いつもいつも、私を助けてくれたってこと。




円香は最後まで口を挟まずに聞いてくれていた。




「…で、要するに。緋和は楠木先生のことが好きになっちゃったってこと?」



「…ん?好きだよ、なんていうか翠は…一緒にいて安心できる私の居場所みたいな感じだから」




今の私が安心して素の自分でいられるのは1人の時と、円香といる時、そして翠といるときだ。



もっというと、翠の腕の中が1番安心する気がする。


…さすがにそんなこと言えないけど。