「月乃、先生に何か言うことは?」

「うっ…枕を投げつけてすみません…。」

あたしと夏夜はベッドの上で正座。

先生は二人を見下ろして腕を組む。

長いお説教が始まるのだろうか…。

あたしは腹を決めて姿勢を正していた。

「あんた達に一言、まず月乃。」

「は…はい」

先生の紅い目がじっとあたしを見つめる。

全てを見透かすようなその目にあたしは、

ゴクリと唾を飲み込んだ…。

「睡眠は取りなさい!夜更かし厳禁!!」

「…へ?あ、はい!」

拍子抜けした…まじで一言だ。

先生はあたしの目元を優しく撫でた。

「次、夏夜。」

「…はい。」

夏夜も緊張の面持ちで先生の言葉を待つ。

そんな中、先生は突如笑い出す…。

「ふふ、怒ってないわ、心配してるの。
夏夜なんて芸能活動もしてるでしょう?
寝るならベッドで寝て。わかった?」

あたし達はポカンとして動けなかった。

「えっ…それだけですか?」

あたしは思わず先生に問う。

先生は少し考えた後、ニヤリと笑った。

「なぁに?お仕置きされたかった?」

耳元で囁くように言うものだから、

あたしはびくりと肩を震わせた。