「助かりました、どうもありがとう。」
女の子は近づいて見るとかなり小柄で、
なんと麗菜ちゃんよりも小さかった。
…おいくつなのだろうか…もしや年下??
女の子の髪は黒髪だが毛先が金色。
もしや…元ヤン!?てか、着物似合うな。
「待ち合わせですか?」
「そんな感じです、でも来ません。
忙しいみたいでドタキャンされました。」
わっ。こんな美人より大事な用事って…?
寂しそうに笑う女の子にあたしは、
無性にぎゅっと胸が締め付けられる。
「あ、あたし魅香!この子は麗菜ちゃん!
ねぇ、一緒にショッピング行かない!?」
手を差し伸べるあたしの背後で、
麗菜ちゃんが真っ青な顔で背中を叩く。
「あなた!それさっきのナンパ男と、
やってること変わらないから!!!」
「いでっ!いでで!!ごめんって!!!
そんな無理に連れて行くつもりは!!」
女の子はそんなあたし達のやり取りに、
クスクスと笑いだす。彼女が笑う度に、
美しく揺れる簪にあたしは目を奪われた。
「私は華美、私を拾って。お姉さん達♪」
華美ちゃんはあどけない笑顔で、
あたし達の手を包むように握った…。