「え…待って、何その物体。
新種の生き物?アメーバ?」

汚物を見るような冷たい目で、

私の絵を見つめるホタル君。

「えっ、いや、想像力を働かせて!
君ならきっと感じ取れるよ!!」

「えぇ…?」

『いや、マジでなんだこれwww』

『画伯wwww』

『ホタル君がんばれー!!!』

『スライムじゃない?知らんけど』

チャットは大いに賑わった。

超不本意だがなァ!?

…とまぁ、私だけ絵が最悪だった。

そういえば中学の美術の成績は、

いつも1だったなぁと今更思った。

「さぁ、トークに移りまーす!!」

「絵しりとり、妙に白熱したな。」

ホタル君がくつくつと笑った。

絵しりとりは絵が下手な奴とやると、

面白いんだな?と追い打ちをかける。

「うーん…魅月はまず立方体を、
描けるように練習しましょうね。」

落ち込む私の頭を撫でながら、

優しく私の空間認識能力のなさを、

全国に発信した…悪意はない。

「ふはっ、え!?そこから!?」

はい、私はもうノックアウトです。

これ以上戦えません!!白旗っ!

「小学生の図形の単元から、
黙ってやり直してきます!!」