「次はバラエティーの収録です、
では車に案内致しますね!!」

「はーい!」

レン君と対称的に全く話さないホタル。

もしかして勝手に見に来て怒ったかな。

「はぁー、猫被り…だるい。」

車のドアが閉まった途端に、

首をゴキゴキならし始めた霧島君。

王子様の面影は更々ない。

「てめぇ、もっと上手く切り替えろ。
あんたもなんでそんな死人みたいな、
青白い顔してんだよ、気が狂うな。」

「すみません、やっぱり帰ります…」

駄目…やっぱり今日はもう無理だ。

「…魅香、仕事が終わったら話がある。
だから終わるまで待っていてほしい。
俺はレンとは違う…切り替えが下手だ。
少し、時間がほしい…。」

蛍の手は…変な汗をかいていた…。

凄く困った顔で私の手を掴んだのだ。

「分かった」

私はただそれしか言えなかった。

全ての仕事や用事を終えるともう夕方。

先程まで完璧アイドルだったホタルは、

家のドアを閉めた瞬間に玄関で、

溶けるように崩れ落ちたのだ…。

「え!?蛍、大丈夫!?」

「ん、疲れた…バラエティー苦手。」

久々に蛍とちゃんと話してるな。

「そっ…かぁ」