「こちらが雑誌の撮影現場です。」

澤田さんが囁き声で説明してくれる。

現場は流石プロが集う仕事場だ…。

生半可な気持ちでは立ち入れない空気。

ライトに照らされ、カメラに微笑む。

そこにはアイドル、ホタルの姿がある。

私の知らない彼の表情が見られた…。

「澤田さん、ホタル君…凄いです」

「はい、月乃さんに気が付いても、
プロ意識で感情を抑えていますね。」

…いや、そこじゃなくて。

「あれ、君はホタルの…」

「お久しぶりです、見学にきました」

話しかけてきたのは麗菜の想い人、

霧島怜治君…もとい、レン君。

不愛想カフェ息子が王子様スマイル。

うん、スゴイネ…プロって。

「そろそろ撮影終わるんじゃない?
ホタルのこと、呼んでこようか?」

「大丈夫です、ありがとうございます」

レン君はそっかぁとニコニコ笑う。

「彼女来たからってミス連発したら、
ブン殴ろうと思ったけど必要ないね!」

ひっ、思考はいつも通りだ…物騒!!

「レン君。喧嘩はほどほどにして、
顔に傷は残さないでくださいね!」

なんかさぁ…澤田さんって割と、

クレイジーなところあるよね?