マコトが突然、真剣な顔になって、岬の後ろ頭に向かって手をかざす。 「なにしてんのマコト」 知らない女子からそう言われても動じずに、「エスパー」とだけ答えた。 「なにそれ意味分かんない」 その女子は呆れた顔で通り過ぎ、席に着いて化粧直しの続きを始めた。 「エスパー、読み取れた?」 「いや、なんも」 思わず吹きだすと、なんだか力が抜けて、俺は書きかけのノートをぱたんと閉じた。