時間に大分余裕があることが判明し、アタシたちは時間に余裕を持って学校に着いた。

教室に入った途端、
「ありいちゃん!おはよう」
と男子たちのウキウキした声が聞こえる。

「おはよっ!みんな!」
ありいは、最高の笑顔で返している。

一方アタシはというと、
「史さん、お、おはよう」 
「おはよう」

男子というよりは、女子に声をかけられる。
これが俗にいう"女子にモテる女子"か。 

ありいとアタシは本当に正反対だなぁ。
ありいは掃除を押し付けられるといったことはないんだろうな……

別に、今のクラスでの自分の立場が嫌だというわけじゃない。

ただ、
昔読んでた少女マンガのヒロインみたいに、
女の子らしくなりたいだけ……

でもきっと、アタシが女の子らしくなったって、キャラに合わない。

「似合わない」
ってバカにされるだけ。

アタシもありいも、自分のキャラをしっかりわかってる。

だから、そのキャラを頑張って演じなきゃ。

他のキャラになりたいなんて、
思ったら、ダメ……