何とか家に入ることができた。

まずは荷物を置いて、手を洗って、エプロン着けて。

それからお湯を沸かす。

グツグツと音を立てたので、蕎麦を投入する。

茹で上がったら、ざるに移し替えて水で冷やし、盛り付け、完成だ。

「颯太(そうた)ー、風太(ふうた)ー、できたよー」

弟たちを呼ぶと、すぐにドタバタとやってきた。

さすがアタシの弟たちだ。

やってきた瞬間、蕎麦をテーブルにセットしてくれた。

「よし!食べようか! せーの!」

「「「いただきますっ!!!」」」

3人の声が重なる。

何気ない日常だけど、こんな瞬間に幸せを感じる。

だけど、不完全だ。

この幸せは。

あと2人、居てくれたら。

そしたら、弟たちだって、
もっと幸せに……