買いたいものを買って、落ち着いたころおやつタイムに差し掛かるころには、朝がゆっくりでもお腹がすき始めた。
そうしてカフェでお茶しつつ、軽食を取ることにしたが、やはり今回も雅貴さんが頼む量がおかしいのは変わりなかった。
コーヒーに、ベーグルサンドが二つに、ポテトフライにマフィンが一つ。
それが、あっという間に無くなる。
私がベーグル一つを食べ終わるころには、その倍以上の物が並んでいた雅貴さんの前も綺麗に無くなるのだ。
食べるスピードも早いのだと、この時改めて気づく。
「こんなに食べて夕飯入りますか?」
思わず聞けば、雅貴さんはニコニコと言いきった。
「茉奈花ちゃんの作ってくれるご飯は美味しいから、夕飯もばっちり入るよ」
「私は、雅貴さんが作ってくれる朝食も美味しくて好きですけど」
話し合った通りに、雅貴さんは毎日朝ご飯を用意してくれる。
パンにオムレツにサラダにヨーグルトとジュースみたいな日もあれば、ご飯に焼き魚にお味噌汁とお漬物っていうザ、旅館の朝ご飯的和食の日もある。
そして、どれでも美味しいのだ。
まさか、雅貴さんが料理まで得意だとは思っていなかった私は、その腕の良さと美味しさに、すっかり弱くて食べないまま過ごしていた朝が、しっかり食べるように改善されつつある。
だって、雅貴さんの作る美味しいご飯の匂いは、低血圧な私の起床を促すのにも、ばっちり効果があったからだ。
美味しいものの匂いは、目を覚ますのにも有効だと知った。
そうして、軽く食事をした後は荷物を置きに戻った後で、商店街へと買い物に行き、夕飯は簡単なお野菜の炒め物とお味噌汁にご飯となった。