テーブルなんかの部屋の雰囲気に合わせるなら、ブラウンか紺とかの落ち着いた無地だろうなと、見ていると雅貴さんは花柄の生地を指し示す。

 「部屋の雰囲気なら茉奈花ちゃんが見てる色だろうけれど、茉奈花ちゃんが好きな柄ならこっちでしょう?」

 そう言われたのはベージュの生地に淡いブルーの小花柄のカバーで、確かに部屋との合わせを考えないで好きな物を選ぶなら、雅貴さんが教えて示してくれたそのカバーだ。

 「うーん、でもリビングに置きたいものだし。自分部屋用じゃないから今回はこっちのブラウンかな。でも、気分変えられるようにと洗い替えに小花柄のカバーも買っちゃおうかな」

 そんな私に雅貴さんは頷くと、店員さんを呼びクッションとカバーを頼んでレジへと向かう。
 クッション、そこそこ大きくて重さもあるからね。
 店員さんは手際よく、それらを荷台に積んでレジまで運んでくれた。
 
 そうして、私は念願の人をダメにするクッションを手に入れたのである。
 その後は、夏の暑さがまだ残っているので、始まったセールのお店ですぐに着れそうな可愛い夏服をお手頃価格で買った私は、大変満足していた。

 そんな私の様子を、楽しそうについて回ってくれる雅貴さんは、結構優しいんだなと思う。
 浩太郎兄さんは私と希代美さんが買い物に行くと、長くって早々に沙希ちゃん連れて、近場で時間つぶしに行っちゃうもの。
 もう少し沙希ちゃんが大きくなったら、女子だけでお出かけしたいものだわ。