そうして始まった同棲生活は、プライベート空間があること、お互いに忙しい中でも時間が合えば一緒にご飯を作って食べたり、テレビや映画を見て話したりと、同棲というより雰囲気的には、ルームシェアな感覚になっている。

 そんな風に過ごして、約一ヵ月。
 今日は久しぶりに、一緒に出掛けようと誘われて現在雅貴さんの運転で海沿いのモールへとお出かけ中。

 話しぶりと同じくらい、雅貴さんの運転は穏やかで安定感があり、安心して乗ったまま目的地に到着。
 朝に私が起きれなくって、ブランチみたいな時間に食べて昼前に到着したので、そのままモール内を見て回ることになった。

 今回探しているのは、リビングのソファーに合いそうなクッションである。
 あの広いリビングにさらに、もう一つ欲しいものがあって、今回お願いしてこのモールに連れてきてもらった。

 一人暮らしのお部屋だと、ワンルームだったのもあり部屋の広さに限りがあるので欲しくても控えていた、あの、噂の人をダメにするクッション。
 あれが、とても気になっていた私は、レジデンスに住み始めて広いリビングを見るたびに考えていた。

 一人でソファーに座ってると、なんか物足りない。
 ここは、あの、ずっと気になっていたクッションを購入するいい機会なのでは?! と言うことを考え始めて二週間。
 私は昨日の夕方、休日出勤から帰宅した雅貴さんに夕飯を出しつつ話を始めたのだ。

 「実は、大きなものを買いたいんですけど。 まずは、家主である雅貴さんに確認したくて……」