「家事も育児も何もせず、責任をなすりつけ合ってみっともないと思わないんですか？」

義彦たちは口を閉ざし、ようやく会議室に静寂が訪れる。しかしすぐに天良がほのかの肩を掴んで言った。

「そうだ、跡取りをもう一度作ろう！俺たちもまだまだ子作りできるし！」

義彦と晴子も表情を明るくし、「そうしよう」と言い始める。「どこまでクズなんだ、こいつらは」と誰かが呟くのを蘭は聞いた。しかし、こんなことを言い出すだろうと蘭はわかっていたのだ。過去のことを思い返せば、予想するのは難しくなどない。

しかし、パシンと乾いた音が響いたことで一瞬の静寂が再び訪れた。ほのかが天良の頬を叩いたのだ。

「理央が死んで時間がそんなに経ってないっていうのに、どうしてそんなことが言えるの！？これ以上もう泣きたくなんてない！！だから、私はあなたと離婚します！！モラハラの証拠はしっかりありますので、お義父さんたちも訴えさせてもらいますから！！」