「でさ〜」

学校の帰り道、クレープ屋さんを出てすぐの事。

「〜〜〜………!」

(………?)

水葉に何かが聞こえた気がして不意に後ろを向きました。

でも何もなく、他のメンバーは楽しそうに会話に華を咲かせています。

「ねぇ、今誰か喋った?」

「え?みんな喋ってたよ?」

雫は不思議そうに首を傾げましたが、水葉は違う違うと言うように首をぶんぶん振りました。

「そうじゃなくて。かすかに女の子の声がしたの」

水葉が先ほど聞こえた声について他のメンバーに説明しているとまた声が聞こえました。

「………!」

(また、あの声だ)

耳をすませるとどうやら北の方角から声がするようです。

「私ちょっと行ってくる!」

水葉はみんなにそれだけ言うと北の方角に向かって走り出しました。