「水葉の気持ち、わかるから……たとえ小さい頃の記憶で妹が困ってたら助けてあげたい。水葉にとって大事な妹だと思うから、私…友達の妹、助けたい」
雫のあとに続いて全員が名を挙げました。
みんなの意志に水葉も柚葉も目に涙を溜め
『ありがとう、みんな』
2人は柔らかく微笑んで雫達にお礼を告げました。
それから何時間も何時間も柚葉の心臓を探し続け──。
気づいた時にはもう空は暗闇に染まっていました。
「もう夜だね…今何時だろう。誰か時間わかる人いる?」
雫達のメンバーの1人である女子が問いかけると答えたのは柚葉でした。
『…今は8時35分よ……』
「わかった、ありがとう柚葉ちゃん」
女子は笑顔でお礼を言うと、また柚葉の心臓を探し出しました。
雫達は山で転んだり滑って服が泥だらけになってでも柚葉の心臓を諦めることはしませんでした。